テーマ別の特許動向を、Fタームの5桁で構成されるテーマコード毎に俯瞰する試みをしています。
・・・が、ちょっと疲れてきたので、少し寄り道をして、IPランドスケープで期待される「先読み」(将来予測)について、少しだけ触れてみたいと思います。
ただし、「先なんて本当に読めるの?」と言われると、そんな神様みたいなことは当然できません。どちらかと言えば「どこにどのように着目するか?」という”方法論”の話になるかと思われます。
以下、前回記事で触れた「潅水」(テーマコード:2B025)を例に、ちょっとだけ具体例の入り口だけ、見てみたいと思います。
最近増加したキーワード
要約のキーワードについて、近年で増加しているキーワードを下図にピックアップしてみました。
ここで着目した要件は以下です。これが「先読み」の絶対条件ということではなく、あくまで「どこにどのように着目するか?」の条件に過ぎません。
1)未だ全てが公開されていない2021年以降の出願で件数が現れているもの
2)ここ3~5年では未だ件数が少ないこと
3)ここ3年くらいで急増していること
結果、1)と2)を満たすものは上表の通りでしたが、3)の急増は曖昧、という結果でした。
最近増加したキーワードを持つ特許リスト
上表に該当する具体的な特許のリストは下図の通りです。
装置やシステムに関する出願が多く、中でも、ハスクバーナ(スウェーデン)による散水システムや、ASSEST(東京大発ベンチャー)によるスプリンクラーシステムなど、AIやIoTを用いた技術が目につきます。
既存プレイヤー vs 新規プレイヤー
前回記事で示した通り、この分野は、クボタ、エンプラス、積水化学工業、パナソニックといったメーカーが上位を占めてきましたが、上述したハスクバーナやASSESTは、どちらかと言えば下位に位置する、新規参入プレイヤーと捉えることもできます。
業界の変化を見る際、こうした新規プレイヤーが新たな技術を携えて参入しようとしているか否かは、特許からも捉えられる可能性があります。ただ、その方法論については、まだまだ検討の余地がありますね