IPランドスケープ

特許で”先読み”できるか?~出願件数の増加傾向

IPランドスケープに期待される「将来予測」について、これまで何度か触れてきました。

「そんなウマい手など、あるものか!」と思いつつ、「そんなウマい手が、ひょっとしたらあるのでは?」という思いが捨てられない、”悪魔のササヤキ”だとも思います。

しかし、もうちょっとマジメに考えると、「将来予測」と呼ぶには大袈裟だけれども、今後のトレンドを読むのに参考となる情報処理の手段は、幾つかありそうです。

そこで、出願件数の傾向被引用の時期登録の時期といった観点で、何回かに分けて考察してみたいと思います。まずは、「出願件数の傾向」から。

 

特許情報は急増するトレンドを捉えられない

いちばん身近で、特許の出願件数が急増した事例は、やはり「マスク」かと思います。

2019年、コロナ禍の初期には、マスクの品切れが続出しました。それにあわせて、家庭ではマスクの手作りが行われ、一方、透明のものや呼吸が楽なものなど、さまざまな機能やデザインを持ったマスクが、どんどん世に出されました。

しかし、こうした直近のトレンドを見る場合、特許情報は馴染みません。なぜなら、特許が公開されるのは出願してから1年半後だからです。早期に公開する制度もありますし、早期に審査・登録されたものは早期に公開されますが、それらは少数派で例外と言えます。

マスクのように身近な例を”肌”で感じるか、SNSのキーワード出現トレンドを追うか、各種産業動向の速報を追う方が、よほど役立ちます。

特許のトレンドが役立つのは、やはり長期トレンドを追うか、トレンドのパターンを把握・分類し、今後の予想に資するか、いずれかに限られるかと思われます。

マスクの特許出願トレンド

マスクの特許出願について、時系列を追うと下図の通りです。横軸は出願月を示します。

これも上述の通り、現時点(2022年6月)から1年半前(2020年12月)より以前のものしか信頼できません。しかし、その立ち上がりは見事に捉えられていると思います。

急増しているのは2020年2月から。日本でコロナが騒がれ出したのが同年1月から、最初の緊急事態宣言が出されたのは同年4月。めざとい人は世の中の動きに敏感に反応していたことが分かります。

しかし、そのトレンドが収まるのも早く、緊急事態宣言の出た4月には早くも頭を打ち、その後は減少傾向に転じていることが分かります。明らかに「一過性のブーム」とも言える状況だったことが分かります。

一方、2021年以降、すべての特許が公開されていないにも関わらず、若干増加のトレンドが見えています。これはもう少し傾向を見てみないと分かりませんが、最初のブームが落ち着いて、しかる後、地に足のついた開発が徐々に始まるというのは、よくある話かと思われます。

マスクの特許検索について

上記の母集団は、Google Patentsで取得しました。その画面を参考として掲載しておきます。単なる「マスク」だと、半導体露光用のマスクも引っかかってくるので、その絞り方に工夫を要するところです。

お読みいただきまして、誠にありがとうございました!

 

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