商品の説明が丁寧過ぎる？ご当地ブランドをご紹介！【おもしろ商標】

今回は、「地域団体商標」について解説するよ。

「地域団体商標」は、その地域ならではの、特産品や伝統技術など保護する制度だよ。

2006年に制度が始まって、今では800件近くが登録。どんどん増えてるよ。

地域の農業協同組合、漁業協同組合、商工会議所、NPO法人など、団体に限られるよ。

そうだね。「我が地域のブランドを守るぞ！」という意志があって、実際にその責任を負える団体、っていうことだね。

ビックリするほど色んな商標があるよ。特許庁のサイトで、地域団体商標のリストが見られるよ。

使える商品（指定商品）やサービス（指定役務）には、決まりがあるよ。「地域の名前」と「商品・サービスの名前」の組み合わせだね。

例えば、こんな感じのものがあるよ。

• 「米沢牛」（山形県）・・・米沢産の牛肉
• 「静岡茶」（静岡県）・・・静岡県産の緑茶
• 「能登米」（石川県）・・・石川県能登産の米

でも、この商品やサービスの説明が、”丁寧過ぎる”商標もあるよ。

文字数で言うと、商品やサービスの説明が、4000字を超えるのがあったりするよ。

気になるよね。それじゃ、具体的に見ていこう！

最初は、石川県の「山中塗」。

宝石箱、イヤリング、ネックレス、ブローチ、カフスボタン、時計・・・もっとたくさんあるよ。

この商標はそれだけじゃなくて、地域がとても細かく指定されていることも、大きな特徴だよ。

地域団体商標は、地域を指定するのが条件だよ。「能登米」だったら「石川県能登産」とか。

そうだね。しかもこの「山中塗」では、その地域の指定が、とても細かいんだよ。たとえば以下の通り。

• 石川県加賀市山中温泉地区（山中温泉＿本町一丁目、本町二丁目、湯の本町、冨士見町、栄町の全部、薬師町、白山町、東町一丁目、東町二丁目、湯の出町、河鹿町、南町、こおろぎ町の一部）及びその周辺地域において塗料の塗布がなされた宝石箱
• ・・・

この商標では、商品が30個以上指定されていて、全部こんな感じで書いてあるよ。

おそらくだけど、「山中塗」を使える地域を、厳しく制限したかったんじゃないかな。

「我が地域のブランドを守らねば！」っていう、強い意志の表れ、とも言えるよね。

次は、滋賀県の「信楽焼」。

それだけじゃなくて、湯たんぽ、こんろ、タイル、郵便受け、貯金箱とか。あと、陶磁製の枕なんてのもあるよ。

まだまだあるよ。ネックレス、ピアス、ブローチ、時計・・・

「信楽焼」という商標は、地域の指定のやりかたが違う、２件の登録があるよ。

• 滋賀県甲賀市信楽地域（信楽町）に由来する製法により同地域において生産された陶磁製の照明用器具
• 滋賀県信楽町産の粘土を主要な原材料として信楽町で生産された陶磁製の照明用器具

この商標の特徴は、指定されている商品の多さ。製法の方は78件あって4000字以上、原材料の方は54件で2000字以上になってるよ。

次は、東京都の「戸越銀座商店街」。

この商標は、商店街全体のブランドを守ることが目的だね。

食料品、家具、衣類、自転車、楽器、おもちゃ、薬品、葬祭用具・・・

でも、指定されているのは、商品そのものじゃなくて、商品を「売るサービス」なんだよ。

サービスの場合、書き方は決まっていて、戸越銀座の場合は、以下の通り。

• 東京都品川区戸越・平塚・豊町及び西品川地区における衣料品・飲食料品及び生活用品に係る各種商品を一括して取り扱う小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供
• ・・・

これも、指定されてるサービスが30個以上あって、2000文字以上にもなってるよ。

最後は、長野県の「木曽漆器」。

茶筒、茶櫃、菓子器、花器、膳、箸、盆などは、山中塗と似たカテゴリだね。

茶棚、サイドボード、座卓、衝立、屏風、厨子など。さらに葬祭用経机まであるよ。

この木曽漆器も、地域の指定は以下のように長め。商品も30個以上あって、全部で1800文字以上あるよ。

• 長野県塩尻市及び木曽地方に由来する製法により長野県塩尻市・松本市・木曽郡木曽町で漆塗りを施した茶棚
• ・・・

以上、ご当地ブランドを守っている地域団体商標の中で、商品・サービスの指定が”丁寧過ぎる”商標を紹介したけど、どうだった？

あなたの街の特産品や伝統工芸にも、地域団体商標が登録されているかも？ご興味あるひとは調べてみてね！