テーマ別の特許動向を、Fタームの5桁で構成されるテーマコード毎に俯瞰する試みをしています。
今回は、テーマコード:2B012「園芸用切り取り具」。2017年以降の約5年間に出願された特許及び実用新案が対象。J-PlatPatにて約110件がヒットしました。
出願件数推移
出願件数を出願年毎に並べたものです。赤線が合計件数となります。2020年出願分は全て公開されているはずなので、テーマ全体的には減少傾向にあります。
出願件数ランキング
この約5年間で最も多くの出願をしているのは、株式会社マキタ。大正5年創業、売上高7000億円超、園芸用機器の大手メーカーです。
2位の株式会社やまびこは、共立と新ダイワ工業の共同持株会社として2008年に設立、売上高1400億円超、園芸用機器をはじめとする小型屋外産業機器や一般産業機器を展開するメーカーです。
出願人×キーワード相関
発明の名称をテキストマイニングして並べたのが下表です。
上位のマキタとやまびこは、類似のカテゴリでお互いに対抗しているように見受けられます。ブレードの形状など細かい構造や組み合わせに特徴があり、門外漢の筆者には複雑で、ちょっと理解に苦労します。
頻出キーワード
ユーザーローカル社のAIテキストマイニングにより、要約における頻出キーワードをクラウド表示したものです。名詞、動詞、形容詞は色分けされています。
出願件数上位のマキタとやまびこによるキーワードが多いです。この中「無人航空機」という、ちょっと変わったキーワードが気になりますね。
係り受け解析
出現したキーワードの感情分析(ポジティブかネガティブ、どちらで使われているか)を、AI解析により判別したものです。
ピックアップ~無人航空機
上記のクラウド表示で気になった「無人航空機」に注目。エムラインシステム社の発明です。
これは、背の高い樹木について、枝切りバサミを装備したドローンを用いて剪定するシステムです。2件の出願があり、1件はドローン機の発明ですが、もう1件は、機械学習を利用して樹木や枝の形状を判別した上、目標とする剪定ができるようにドローンによる剪定操作をコントロールするシステムの発明になります。
ここで詳細に触れると記事が長くなりすぎるので控えますが、ニューラルネットワークの設計から、機械学習、剪定、ドローン操作のフローチャートまで、割と詳しく書いてあります。
森林の管理や有効活用は、筆者自身のテーマの一環でもあるので、時間があれば詳しく読み解いてみたいと思います。