特許分類「Fターム」(特にFタームの5桁で構成されるテーマコード)を利用して、技術テーマ別の特許動向を俯瞰する試みをしています。
今回は、テーマコード2B031「土作業機(1)手作業機」。
土作業機のFタームは4種類に分かれていますが、今回はその内、手作業で草刈りや除草をする機械に関する技術になります。
2012年1月1日以降の約10年間に出願された特許及び実用新案が対象。J-PlatPatにて126件がヒットしました(2022年7月28日現在)。
頻出するキーワード
当然ながら、除草や草刈りに関するキーワードが中心になります。素人目には、特に目に付くようなキーワードは無さそうです。
※ユーザーローカル社のサイト「AIテキストマイニング」を利用して、発明の名称および要約の頻出キーワードをクラウド表示したもの(上図が発明の名称、下図が要約)。名詞、動詞、形容詞は色分けされている。
出願件数推移およびランキング
個人名が多く並び、また、実用新案が多くを占めます。全体的な出願件数も多くは無く、しかも減少傾向にあるため、将来有望な技術テーマとは言えない状況です。
ただし、こういった技術分野に目を付けて、黒船の如く新規参入というのも、斜陽産業を再興させる方法論を取るならば、あり得ない話ではないかと思われます。
※出願件数の推移は出願年毎に表記。2020年出願分は全て公開されているはずなので、それ以前の経変変化は確定データ。
ピックアップ~高校生による発明
以下、筆者の独断と偏見でピックアップ。高校生による発明です。
発明の内容は、草抜きをする際、草と土を無理なく分別できるように工夫した技術です。ちょっとした小発明ですが、拒絶理由通知に対してしっかり応答して、きっちり登録になっています。
高校生かどうかは、書誌事項をちょっと見ただけでは分かりませんが、出願経過にある審査官との応対記録に記載があります。未成年なので、ご両親かご親戚と推察される方々を法定代理人に立てられています。
弁理士を使っていないにも関わらず、早期審査請求を含め、とても簡潔かつ効果的に手続きされているのに感心させられます。審査官の応対を法定代理人の方がされており、この方が特許手続を熟知されているのかと想像します。