前回の記事「サプライチェーンから見る特許調査」では、森林資源に関する情報源として、林野庁が出している「森林・林業白書」に触れました。
このように、事実(ファクト)を把握するのに、官公庁の公式発表資料というのは意外と役立ちます。とくに、知財部門でIPランドスケープをやる場合、いろんな二次情報に広く当たる場面が多いかと思われ、サポートになるかと思います。
もっとも、業界の予備知識がある程度無いと、データの読み方を誤解してしまうことも多々あるので、情報は多面的に検証する必要はあるかと思います。
以下、代表的な官公庁の情報源について、筆者が良く使うものを中心に列挙しておきます。(偏ってるかと思いますが、ご容赦を・・・)
JETRO
まずは、JETRO(ジェトロ、日本貿易振興機構)。
https://www.jetro.go.jp/themetop/ip/
なぜ、いきなりJETRO?と思われるかも知れませんが、国別の産業動向を、わりと網羅的かつタイムリーに捉えて、速報や詳報を発信してくれています。
特に、知的財産制度の動向には割と詳しく、筆者はわりと重宝しています。
JETROは元々、旧・通商産業省の”諜報機関”として設置された、とも言われているくらいで、情報収集のために存在する機関と言え、主要な各国に出先機関を設けております。
「いや、その国の政府の言われるがままに発信してるだけでしょ」という批判もあるようですが、少なくとも、素人が最初に当たる情報源としては役立つと思います。
もちろん、上記のような批判はもっともで、他の情報源も多面的に当たる必要はあると思います。
経済産業省
経済産業省のサイトは、各技術分野・産業分野における政策や動向に関する情報がてんこ盛りです。各分野の最新動向を踏まえて情報発信されており、マクロな事実(ファクト)を把握したり、予備知識を得るには結構役立つかと思います。
特許庁
筆者もよくお世話になる特許庁。知財動向に関する情報源としても、細かな手続や制度を調べるのにも良いかと思います。
農林水産省
筆者が森林に関わる仕事をしている関係上、農林水産省のサイトもたまに見ます。経済産業省と似たようなカテゴリの情報もありますが、市町村ごとなど、地域や細かい品目に着目した情報が特徴です。
ただし、経済規模が大きい農業が中心で、筆者が関わる森林については、次項で紹介する林野庁のサイトが便利です。
林野庁
筆者が森林関係の情報を得るのに、かなりお世話になっている林野庁のサイトです。
ただし、その統計データが、国内限定なのか、生産と出荷のどちらなのか、木材と製材の両方を含むのかなど、ちゃんと知らないと誤った引用をしてしまうおそれがあるので、ある程度の業界知識や慣れが必要と言えます。
環境省
SDGsの盛り上がりと共に、存在感を高めている環境省。研究開発や事業もSDGsを前提にしていないとダメと言われる世の中。経産、農水、文科など、分野を問わず、その政策の影響力は幅広いため、こちらの情報にも当たることが多いです。
国土交通省
国土交通省は、森林関係だとあまり関係ないように思えますが、治水や気象に関してはこちらが所管で、関連する情報を時々見に来ています。
国土交通省サイト(リンク)
その他
筆者は産官学連携にも携わっているので文部科学省、特にエネルギー関連政策を見るなら資源エネルギー庁、といったことは関連ありますが、その辺に当たる頻度は正直少ないです。