今回は、「発明」に関する特許を見てみましょう。
そもそも、特許は「発明」に対して与えられるもので、今回の場合、「”発明”の発明」という、ちょっと変な感じの特許になります。
「発明」に関する特許
タイトルに「発明」を持つ特許を、J-PlatPatで検索すると、524件もヒットします。
これらを、ザっと分類してみると、およそ以下のように分けられるかと思います。
- 「発明」を評価するシステムなど合理的なもの
- 誤記・誤訳等により「発明」がタイトルに入ってしまったもの
- 発明者が書式を知らずに「発明」をタイトルに入れたもの
- 「おもしろ特許」にふさわしい(?)「おもしろ発明」
以下、どんなタイトルのものがあるか、例を挙げてみます。
「発明」を評価するシステムなど合理的なもの
「発明」の価値評価など、知財業界の人々にとっては延々と興味が尽きない分野の発明がヒットします。「発明生成装置」なんてドキッとするのもありますが、中身を見てみると、発送支援システムと言った方が良さそうです。
- 発明評価装置、発明評価方法、および発明評価プログラム
- 発明能力評価システム、ならびにそれらを用いた発明能力者ネットワークシステム、アイデア情報マーケットシステム、アイデアノート管理システム、発明能力評価方法
- 発明生成装置、発明生成方法、およびプログラム
- 特許評価装置および発明者評価装置
- 発明展開度生成装置、発明展開度生成方法、およびプログラム
- 発明オークション方法、及び当該方法が実行可能なサーバ
- 発明届出承認システム、発明届出承認方法および発明届出承認用プログラムを記録した記録媒体
誤記・誤訳等により「発明」がタイトルに入ってしまったもの
自動翻訳をそのままコピペするなど、何らかの手違いで「発明」のワードが入ってしまったと思われるものです。
- ケーブル用壁貫通部およびキット 本発明は、ケーブル用壁貫通部およびケーブル用壁貫通部のキットに関する。
- プラグを有する摺動スリーブを伴う単動式分注装置発明の背景
- 発泡積層体の製造方法及びその発泡積層体本発明は、発泡層が厚く、優れた断熱性を示す発泡積層体を高い生産効率で製造する方法に関するものである。
- 吸水性低減を示す充填ポリアミド成形材料(発明の詳細な説明)
- 発明の名称:組織マイクロアレイ構築用手動セット
発明者が書式を知らずに「発明」をタイトルに入れたもの
そもそも特許は「発明」に関するものだから、わざわざタイトルに「発明」と入れなくてもよいのですが、あまりそういうことに無頓着で入れてしまってるものがあります。そのまま訂正されずに登録になったりしてますので、特許庁も特に気にしていないところかと思われます。
- レーザを用いてガラスを分断するための方法ならびに本発明により製造されたガラス製品
- 請求項にかかる発明における法律的な文法項連鎖の半自動での生成及び起動が可能なイノベーションエキスパートシステム
- 本発明は、パテ練り容器に関するものである。
- 小麦からのサッカリド画分、単離方法及び本発明の使用分野
- 人工弁についての改良および関連する発明
- 位置表示用データ送信機能付きデータ送信装置、(以下[発明の名称の続き]欄に記載)
「おもしろ特許」にふさわしい(?)「おもしろ発明」
以上は、中身が割と普通でマジメな特許ばかりですが、それとは違って、このブログで追い求める(?)「おもしろ特許」にふさわしい「おもしろ発明」も、たくさんヒットします。タイトルだけでもお楽しみあれ。(中身を見たければ、下記のタイトルをコピペして検索すればヒットします。)
- 今までできなかった長期宇宙旅行を可能にするなどのための、人工冬眠を起こす新しい方法の発明
- 伝道工芸品を在続させる為に考案、発明しました。
- レーザーで兵器を壊す発明について
- 瞬間ガス化液体燃料製造装置とその製造方法の技術と発明
- 蓋の裏面の利用の発明
- 各国政府へ各国特許出願各国内移行時特許権取得時のみに限り、世界中の平和、公正、平等の為に、世界中の国の政府へ本特許権の90%特許権利(総収入特許権利金%)金オートメーション各国政府が(総収入とは、その・・・ ※長すぎるので省略。後半に「発明」のワードが出てきます。
- この発明は、海水等の飽和水蒸気から直接、真水を得るシステムに関するものである。
- 永久機関の基本原理と発明方法
- 海中に設ける設備を係留するため、ロケット推力を利用して海底に撃ち込む杭に関する発明
- 異国単語の内容が一目瞭然たる翻訳方法の発明
- 性格から人相を計算する発明
「発明」に関する発明は最初のものだけで、あとは、あんまり「発明」そのものには関係ないものでしたね。
なお、本ブログでいう「おもしろ特許」とは、いわゆる「トンデモ特許」を揶揄するような意図では全く無く、むしろ、例えどんなにトンデモないと思われるような着想であっても、それを発明という形で表現し、さらには特許にまでしようという、発明者の心意気にエールを送るものです。