おもしろ特許

「火葬」にも発明あり!?【おもしろ特許】

えがちゃん

「おもしろ特許」シリーズで取り上げるには、少々不謹慎かも知れませんが、今回は「火葬」の発明についてご紹介します。

これまで何度か、通夜・葬儀・火葬といった一連の儀式に立ち会いましたが、悲しみの一方で、いろいろな技術が使われているんだなあ、と感心したことがあります。(なんか、サイコパスっぽくて恐縮ですが・・・)

実は、特許分類にも、ちゃんと「火葬」に関する分類があります。今回は、おそらく業界の人たち以外はあまり知らない、そんな技術分野を見てみましょう。

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「火葬」の特許分類と頻出キーワード

国際特許分類IPC)には、「人または動物の死体の火葬に特に適合した方法または装置」(F23G1)というものがあります。

ここから、最近20年くらいの特許・実用新案を検索したところ、150件近くヒットしました。

それら特許のタイトルについて、テキストマイニングユーザーローカル社のサイトを利用)に掛けた結果は下図の通り。頻出キーワードは大きく、その他のキーワードは出現頻度や関係性が下がるほど、小さく周辺に配置されています。

ペット関連が多そうな感じでしょうか。以前流行した「肉骨粉」といったキーワードも見られますね。

「火葬」に関するキーワードの相関関係

キーワード分析をしたついでに、テキストマイニングで使われる「共起関係」というものについて触れておきます。

要するに、「どんなキーワードが同時に出現し勝ちか」という意味で、下図のようにビジュアル化されて表現されます。同時に出現する頻度が高いキーワード同士が線で結ばれています。

焼却炉の技術群が中心のようですが、それとは別に、棺の運搬に関するもの、葬儀の進行に関するものなど、幾つかの技術カテゴリが存在することが分かります。

キーワードの意味はポジティブ?ネガティブ?

テキストマイニングでは、出現したキーワードの意味合いが、ポジティブネガティブを識別するテクニックもあります。

これは、いわゆるAIにおける深層学習ディープラーニング)の成果のひとつで、感情表現を学習・理解させる技術によるものです。

例えば、「良い」や「好ましい」というワードがポジティブな表現だということに違和感は無いですが、「細長い」や「近い」がポジティブかネガティブかは、一概には言えないですね。上記によれば、この特許群の中ではネガティブに使われていることが分かります。

「火葬」に関する会社たち

この「火葬」に関する20年間の特許群から、件数の多い会社のランキングは以下の通りです。筆者は化学業界にいたのですが、正直、知らない会社さんばかり。特許分析をすれば、そんな業界にも触れることができて面白いですね。

「火葬」の興味深い「ビジネスモデル」

これらの特許を見ていると、北海道釧路市にある合同会社「そのまえに」が出している「焼却方法および葬儀方法」という特許が目に入りました。

技術的には、遺骨を細かく粉砕することで燃焼効率を高める、といったものですが、興味深いのは、それを葬儀のセレモニーと結び付けている点です。

下図では、右側が遺族の参列する場所、左側には遺骨の焼却炉があり、真ん中には間仕切りがあります。遺骨は粉砕した状態で遺族側に置かれ、それに礼拝などをした後、間仕切りの窓を通じて焼却炉側に移され、焼却されるのを見守るという仕組みです。

いわゆるビジネスモデル特許には当てはまりませんが、葬儀の斬新なビジネスモデルを描いた特許と言えます。技術だけでなく、葬儀の方法についても、いろいろな工夫がなされているんだなあ、と感心した次第です。

以上、今回は「火葬」の発明についてご紹介しました。

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ABOUT ME
えがちゃん
えがちゃん
「ゆめ知財」の主宰者
「さきよみBENRISHI」のえがちゃんです!弁理士ですが弁理士らしい仕事はせず、知財系ライター、知財系プランナー、知財系コンサルタントとして、日々活動しております。30年余りのメーカー勤務を経てフリーランスに。知財だけでなく、会社生活、産学連携、中小支援、地方創生、森林活用などなど、色々な夢や悩みを、カフェ気分で気軽に語り合いましょう!
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