無料検索システムの比較~「J-PlatPat」 vs 「PATENTSCOPE」
主要な無料検索システムの内、J-PlatPatは日本の特許・実用新案・意匠・商標、PATENTSCOPEはPCT国際出願に加え、各国・地域の特許文献を調べるのに便利です。
一方、特許文献の検索対象には重複するところもあるので、筆者は両方を使ってチェックすることもあります。
今回、両者の違いについて、簡単に触れたいと思います。以下は、この記事を作成した2022年4月当時に、キーワードとして「登山用」を使って検索した結果の比較です。現在の収録データやヒット件数とは異なる場合があります。
キーワードの入力方法による違い
J-PlatPatとPATENTSCOPEでは、キーワードの扱いに、少々違いがあります。
「発明の名称」(タイトル)で検索すると、例えば以下のように、””(クォーテーションマーク)の有無で、ヒットする件数が異なりました。以下の件数は2022年4月当時の検索結果です。
- 登山用と入力した場合:J-PlatPatなら67件、PATENTSCOPEでは91件
- “登山用”と入力した場合:J-PlatPatでは0件、PATENTSCOPEでは71件
これは、両者のシステム内部で、以下の違いがあるためのようです。
- J-PlatPat:「登山用」と一連の文字列として認識する。””(クォーテーションマーク)も文字として扱う。
- PATENTSCOPE:「登山」と「用」を分けて認識する。一連の文字列として認識させるには“”で囲む必要あり。
フィールドによる違い
「発明の名称」以外のフィールドではどう違うか、下表で比較してみました。(PATENTSCOPEの()内は、キーワードを””で囲わなかった場合。)
フィールドにもよりますが、両者の結果は結構違います。結果が一致しない理由としては、主に次のような違いが考えられます。
- 収録範囲:データベースごとに、収録する国・地域、年代、文献種別、全文・要約などの収録状況が異なる。
- データ処理:収録元データや索引化、言語処理、翻訳などの違いによって、同じ条件で検索しても結果が一致しない場合がある。
日々進化する無料検索システム
検索の目的にもよりますが、入力ルール、収録範囲、データ処理などの違いは検索結果に影響するため、少なくとも精緻な検索を要する場面では、それぞれのデータベースの特徴を認識しておく必要があります。
また、どの検索システムを使うかは、ユーザーインターフェースや検索コマンドの違いなど、検索する者の好み次第というものが多いようです。
一方、いずれの検索システムも、機能改善が続いています。検索機能やユーザーインターフェースも変化していくため、実際に利用する際には、それぞれの最新仕様を確認しておくことが大切です。
そうした日々の変化については、追っていくのが大変ですが、知っておいた方が便利、知らないと遅れをとる、ということもあるので、専門家の発信も見ながら、できるだけ追っておきたいものです。



