特許分類「Fターム」の5桁で構成される「テーマコード」を用いて、技術テーマ別の特許動向を眺めています。(気まぐれで更新しており、体系的でもなく、分析の切り口も思いつきですが、いずれまとめたい、とは思っております。)
今回は、テーマコード2B052「施肥」です。農薬やら除虫やらが登場する技術分野になります。
2012年1月1日以降の約10年間に出願された特許及び実用新案が対象。J-PlatPatにて712件がヒットしました(2022年9月2日現在)。
頻出するキーワード
農機等による肥料散布に関する技術分野ですが、農薬散布も混じっているようです。機械の動作機構の他、散布量調整や判断などに関する技術が含まれています。
※ユーザーローカル社のサイト「AIテキストマイニング」を利用して、発明の名称および要約の頻出キーワードを処理したもの。上の図が「発明の名称」のクラウド表示、中の図が「要約」のクラウド表示、下の図が「要約」の共起キーワード。名詞、動詞、形容詞は色分けされている。
出願件数推移およびランキング
クボタ、ヰセキ、ヤンマーと、農機に関する大手が上位に並んでいます。前回みた「播種」とは異なり、機械が中心なためか、外資系は上位に登場していません。全体的には微減傾向にあるようです。
※出願件数の推移は出願年毎に表記。2020年出願分は全て公開されているはずなので、それ以前の経変変化は確定データ。
出願人とキーワードの相関
上位メーカー10社について、各々の特徴キーワード(タイトル)のプロファイルを、折れ線グラフによる比較です。もう少し、ドローンや空中散布のようなものがあるかと想像しましたが、少なくとも上位メーカーには頻出ではないようです。下位では楽天などが関連特許を出願しています。
下図は、上位を占めるヰセキとクボタの要約キーワードの比較です。この10年間を見れば、ヰセキの方が空中散布やドローン的なものに出願しているように見えますが、あくまでクボタとの比較ではというだけで、全体的に見れば、ヰセキに特徴的とも言えなさそうです。