特許動向

Fタームで見る特許動向~「きのこ栽培」(テーマコード:2B011)

テーマ別の特許動向を、Fタームの5桁で構成されるテーマコード毎に俯瞰する試みをしています。

今回は、テーマコード:2B011きのこ栽培」。2017年以降の約5年間に出願された特許及び実用新案が対象。J-PlatPatにて約110件がヒットしました。

出願件数ランキング

この約5年間で最も多くの出願をしているのは、サカト産業。きのこ栽培の資材や装置を製造販売している会社です。平成10年創立と、比較的若い会社かと思われます。

2位の北研は、昭和36年創業、きのこ栽培の種菌や菌床等、資材や機械の他、きのこそのものの製販売もしている会社です。

以下、中村製作所、ホクトと、きのこ専門で資材等を製造販売する会社が上位を占めています。

出願件数推移

この5年間の時系列推移をみる限り、毎年安定的に特許出願するような業界ではなさそうです。かつての食品や飲料の業界がそうでしたが、他業界から”黒船”的に新規参入する余地がありそうに見受けられます。但し、きのこ栽培はノウハウの塊でもあるので、参入の切り口はひとひねりもふたひねりも必要かと思われますが。

出願人×キーワード相関

発明の名称をテキストマイニングして並べたのが下表です。出願人の順番は適当です。タイトルだけだと、あまり特徴的なキーワードは見受けられないようです。

ひとつだけ、「エルゴチオネイン」というワードが目につきますが、これは抗酸化作用を有する希少なアミノ酸の一種で、サプリや化粧品に使われているようです。

頻出キーワード

ユーザーローカル社のAIテキストマイニングにより、要約における頻出キーワードをクラウド表示したものです。名詞、動詞、形容詞は色分けされています。

機械装置、袋等の資材、具体的なキノコの種類などが入り混じっており、もう少し分類すれば、何らかの傾向が分かるかもしれませんが、母集団の件数自体が少ないので、あまりこうしたクラウド表示は馴染まないかも知れません。

係り受け解析

出現したキーワードの感情分析(ポジティブかネガティブ、どちらで使われているか)を、AI解析により判別したものです。技術課題を俯瞰するのに便利です。

「低い」という形容詞が目立ちますが、中身を見ると、単に数値範囲の高い・低いの意味で使われるなど、あまり特徴的なワードではないように見受けられます。

ピックアップ~風力装置および生育システム

以降、筆者の偏見で特許をピックアップ。プランツラボラトリー社の発明。

これは、きのこや植物の栽培ラックが多段・多列に並べられている場合、二酸化炭素の偏りを無くするため、ラックに沿って往復移動できる扇風機を設置するという、割と簡単な発明です。

多数の実施例が記載されており、明細書としてはかなり作りこまれていますが、特に実験データがある訳でもなく、実験データが欠かせない化学系の筆者としては、こうした目の付け所で特許になるのかと、勉強になった事例です。

お読みいただきまして、誠にありがとうございました!

 

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