前回、「四次元」の特許について触れましたが、いずれも審査を経て登録されたものでした。
これらは、「三次元＋時間軸」という、物理的にあり得る技術を対象にしているので特許登録された訳ですが、逆に、登録されないものもあります。
ここではその内、「四次元波受信機」という特許出願について、少しだけ見てみたいと思います。
この発明は、今を遡ること50年前、1971年に出願されたもの。明細書の一部を下図に示します。手書き文字、印鑑、印紙が、時代を感じさせますね。
クレームや図面を見ると、「四次元」という文言以外は、普通のラジオ受信機やアンプに使用される電気回路のように見えます。しかし、明細書の説明を見ると、なかなかにユニークです。
この発明者は、死者の声を聴く霊媒師はインチキとしていますが、霊界通信の可能性は否定していません。また、サボテンが感情を持つ上、ウソ発見にも役立つ旨、発明の背景として記載されています。
また、人間や生物のテレパシーは肯定していますが、それを媒介する媒体が何かは未だ不明であるとしており、何か分からないので「一応四次元波と名付け」たと書いてあります。
現実を冷静に踏まえつつ、超常現象的なもの肯定し、発明として提示。何やら不思議（？）な特許でした。
残念ながらというか当然というか、登録にはなっていません。少なくとも、この明細書に従うだけでは、霊界通信は実現不可能でしょうから。しかし、サボテンの生理現象については、現象自体は事実の部分があるでしょうから、それを利用した発明と言うのは、あっても良さそうですね。
お読みいただきまして、誠にありがとうございました！
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