雑記

鉄筋コンクリートは会社組織に似てる?

前回まで、ビジネスモデル特許など、小難しい話ばかりで肩が凝ったので、ちょっと気の抜けた話を。

建設の話でなく、会社組織の話です。鉄筋コンクリートって、会社組織に似てるなあ、などと思い・・・

「なんじゃそりゃ?」という、たいした話じゃないのですが、twitterで呟くには長いので、こちらのブログにて。

鉄筋コンクリートの構成

筆者は建築の専門家でなく、あくまで「建設現場を見るのが好き」なタダのおっちゃんなので、念のため。

鉄筋コンクリートの柱は、およそ下図のような構成です。(イラストが下手クソですみません・・・)

鉄筋」というのは、鉄を主成分とする金属で出来た、太いワイヤーみたいなもので、柱の縦方向に走ってるのを「主筋」、それを補強するように取り巻いてるのを「帯筋」と呼びます。そして、その鉄筋を「コンクリート」が覆っています。

それらの役割は、およそ以下の通りです。

  • 主筋:柱が曲がったり引っ張られたりする力に耐える
  • 帯筋:主筋がグキッと折れたりズレたりしないよう補強する
  • コンクリート:鉄筋が圧縮される力に耐えたり、雨風などから守る

 

組織メンバーの「主筋」とは?

主筋は、柱の真ん中を支える大黒柱といった役割です(鉄骨鉄筋コンクリートだと、鉄骨がこの役割)。主筋によって、建物が地震等で揺れたとき、曲げられたり伸ばされたりの大きな変化に耐えることができます。

これを会社組織でいうと、社長経営陣事業部長格の人々に当たるかと思います。頭のテッペンから足の先まで、会社全体の芯となり、大きな外部環境変化に対して、時にはじっと耐え、時には受け流しと、大きな動きで対応する役割かと思います。

とりわけメーカーでは、生産を担う工場組織そのものが、それとも言えるでしょう。

組織メンバーの「コンクリート」とは?

しかし、建物の柱は、主筋だけでは成り立ちません。大きな力で曲げられたとき、主筋には伸びる側と縮む側が生じます。例えば人間が前屈した場合、背筋には伸びる力が、腹筋には縮む力が加わります。鉄筋は、伸びるには強くとも縮むのには弱いのです。その縮む、すなわち圧力に耐えるのが「コンクリート」の役割です。

またコンクリートは、鉄筋を風雨などによる浸食から守る役割もあります。ときには、自らが割れたり剝がれたりすることで、建物全体の破壊を身を挺して防ぐという重要な役割を果たします。

そして何より、外部から見えるのは鉄筋ではなくコンクリート。つまり、建物の」とも言えます。

これを会社組織のメンバーで言えば、一般社員、特に営業や広報など対外的な活動を担っている人々がこれに当たるかと思います。筆者も営業をしている頃、「営業は会社の顔だということを忘れるな」と、よく言われました。

顧客や競合との折衝を直接やるのは営業の仕事ですし、株主等のステークホルダーと対応するのは広報や総務だったりします。かなり「身体を張る」タイプの仕事だと思います。いまどきは、「身体を張る」という言い方は馴染まないかも知れませんが・・・

組織メンバーの「帯筋」とは?

しかし、主筋コンクリートだけでは、建物は脆いです。一定方向からジワジワとかかる力には耐えられても、思わぬ方向から不意打ちな力には弱いもの。特に、横や斜め方向から瞬間的に大きな力がかかれば、「せん断」と呼ばれる、ズレて破壊される現象が起きてしまいます。そうしたズレや破壊を内から防ぐのが「帯筋」の役割です。

また、何本もある主筋がそれぞれバラバラに動いたり、コンクリートが膨張したりして主筋からはみ出しても、建物の柱は崩れてしまいます。帯筋は、主筋と主筋、主筋とコンクリートを固く締めて繋ぐ役割も果たします。

さらに、上の図では水平に巻かれていますが、ときには斜め方向(スパイラル)に巻かれたり、その間隔や太さも、柱・主筋・コンクリートの太さ・長さ・厚さ等に応じて、適切に調整されます。場合により、主筋やコンクリートがダメになっても柱を支え続ける役割も担います。

このように帯筋は、内部環境外部環境に応じて、自らの役割を柔軟に変化させ、様々な役割を担います。

会社組織で言えば、ヒト・モノ・カネの使い方を監視してバランスを整えたり、従業員も含む会社組織に横串を刺して一体感を維持したり、様々な目くばせをして会社を内部で支えるのは、いわゆる間接部門です。

たとえば、経理・法務・情報システム・知財など。工場だと物流・資材調達・生産計画・安全環境管理・生産技術・エンジニアリングなどの各部門になるかと思います。変な話、会社の利益が苦しいとき、真っ先に切られるのも間接部門の費用。そうした調整弁的な役割も担っていると言えます。

研究開発はどこに位置するか?理系の大学を出てメーカーの研究所に勤めたりすると、筆者もそうでしたが「自分が花形」みたいな誤解(?)をし勝ちですが、実際は間接部門として”支える立場”と言えます。

そうした間接部門が、どこまで変幻自在・融通無碍に動けるか?それが会社組織の瞬発力・持久力・寿命・成長性などを左右している。知財もそうした重要な役割を担っている。筆者はそう考える次第です。(やっぱり最後は肩に力が入った話に・・・)

お読みいただきまして、誠にありがとうございました!

 

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