ビジネスモデルとは?~「売り手」と「買い手」の視点の違い
ビジネスモデルとは何か?については、ネットや書籍を含め、山ほど情報が手に入るかと思います。
ここでは、そうした一般的な話は横に置き、筆者がビジネスモデルの議論に対して感じていることについて、多少の批判を交えて触れてみたいと思います。
ビジネスモデルにおける「売り手」の視点
よくあるビジネスモデルの定義を、すごく簡単に言えば、次のようなことかと思います。
誰に・何を・どのように売るか?(Who? What? How?)
この内、どのように売るか(How?)については、ちょっと下品な言い方ですが、次のようにも言えるかと思います。
どんな手段で顧客を誘引し、どんな手段でお金を回収するか?
よくあるビジネスモデルに関する議論や興味は、だいたいこうした点に集中し勝ちではないかな、と感じています。
しかしながら、これはあくまで、「売り手」の視点に立った考え方です。
ビジネスモデルにおける「買い手」の視点
その裏返しで、「買い手」の視点に立つとどうなるでしょうか?おそらく、次の通りかと思われます。
誰から・何を・なぜ買うか?(Who? What? Why?)
たとえば、食事をとる場合、ファストフードとレストラン、どちらを選ぶかという場面では、顧客をとりまく環境の中、下図のような感じで考えを巡らせていると考えられます。
「売り手」のHow? vs「買い手」のWhy?
「売り手」の”How?”が、「買い手」では”Why?“になる。「買い手」は最後、意識的・無意識的を問わず、「なぜ買うのか?」に答えを出してから選択しているのだと考えます。
先に「ちょっと下品な言い方」と書いたのは、それが「売り手」の一方的な目線でしかないからです。特に、買い手のそうした選択を、売り手が一方的にコントロールできるという、いわば”思い上がり”があるかと思われます。
商売をしていれば、どんな会社でも「顧客目線で」「お客様の立場で」と言われるかと思います。しかし、ビジネスモデルの話題になった途端、そのことを忘れてしまわないでしょうか?
筆者自身、ビジネスモデルを「売り手」目線だけで見てしまうことが多く、重々反省せねばと思っているところです。
筆者がIPランドスケープに興味を抱き、関わり始めたのは、このビジネスモデルを考えるためと言っても過言ではありません。
そのIPランドスケープが、魂の入らない下品なツールに堕してしまわないよう、「売り手」と「買い手」、双方の目線を大切にしたいと思う次第です。