特許分類「Fターム」(特にFタームの5桁で構成されるテーマコード)を利用して、技術テーマ別の特許動向を俯瞰する試みをしています。
※このブログは、気まぐれで更新してるので、あまり体系的でもなく、データ分析の切り口も一定しませんが、いずれどこかで、ちゃんとまとめられたらなあ、とは思っております。
今回は、テーマコード2B043「農業機械一般(3)操向」です。
Fタームでは、農業機械に関するテーマが複数あって、かなり細分化しておりますが、テーマ間での重複もかなり多いです。
2012年1月1日以降の約10年間に出願された特許及び実用新案が対象。J-PlatPatにて1839件がヒットしました(2022年8月31日現在)。
頻出するキーワード
なるべく最近の動向を見るべく、2020年以降に出現したキーワードをテキストマイニングしました。
トラクタやコンバインなどを、人力でなくマップ情報などを使って自動走行させる技術に関するワードが頻出しております。
※ユーザーローカル社のサイト「AIテキストマイニング」を利用して、発明の名称および要約の頻出キーワードをクラウド表示したもの(上図が発明の名称、下図が要約)。名詞、動詞、形容詞は色分けされている。
なお、この「AIテキストマイニング」には「共起キーワード」なるものを分析・表示する機能があります。一緒に出現する頻度の高いワード同士を紐付け(直線で連結)して表示、頻度が高いほど線が太い、といったものです。
出願件数推移およびランキング
クボタ、ヤンマー、ヰセキ、三菱農機といった大手メーカーが、2016年以降に出願を急増している様子が見て取れます。これは、今まで見て来た農業または農業機械に関するテーマの中でも、特徴的な動きと言えます。
※出願件数の推移は出願年毎に表記。2020年出願分は全て公開されているはずなので、それ以前の経変変化は確定データ。
ただし、そろそろ増加が鈍って来るようにも見えます。そのような状態になると、一般的には技術競争が激化し、市場拡大(成長期)に入っている、といった見方になります。
ちなみに、ディールラボ社のサイトによれば、グローバルな農業機械の市場規模は急増しており(下図)、整合性はあるかなと思われます。(本来、グローバル動向と国内動向は分けて見るべきですが・・・怠けてしまっています・・・)
出願人とキーワードの相関
ヤンマー、クボタ、ヰセキの上位メーカーに絞り、各々の特徴キーワードのプロファイルを、折れ線グラフによる比較です。
上図は過去10年間、下図は過去3年間のプロファイルです。出願頻度が上位のキーワードだけをグラフ表示しており、その範囲では、ここ近年で特徴的な変化は見られないと言えます。
ちなみに、「穀稈」がヰセキに特徴的なキーワードに見えますが、要するに「稲穂」のことを指すようです。