各国の出願人がどのような国での特許獲得を目指しているか、その時系列変化を含めて、国籍(第一国)別に見ています。
最終回(?)は、これまでのいわゆる五大国ではないですが、欧州における特許件数の多くを占めるドイツ(DE)です。
ドイツ籍の特許動向の特徴
以前の記事「国籍別の特許動向の違いは?」で触れた通り、欧米人(欧米企業)は、複数国に出願する割合が高く、一般的にグローバルな特許網構築を意識する傾向が高いと言えます。
その中、ドイツ人の出願件数は、欧州人全体の出願件数の過半数を占め、平均ファミリー件数(1出願当たりのファミリー出願件数の平均値、実質的な発明件数に近い)で言えば、ドイツは欧州全体の7割を占めます。
※以前の記事でも述べましたが、多くの特許出願は出願人の国籍をデータとして持っていないので、その代わりとして第一国(最初の出願国、より正確に表現するならば「優先権主張の基礎となる出願の出願先となる管轄官庁の属する国」)を使っています。
検索式
The Lensを用います。検索式は下図の通りです。Lensでは”Priority Jurisdiction”(優先管轄官庁または国)というフィールドがあるので、これを第一国(国籍)を表すものとして利用します。対象期間は、公開公報発行年を基準に2017年以降の5年半を取っています。
ドイツ籍の特許出願動向
下図より、ドイツ籍の出願先(国)の内、ドイツ国内への出願は3~4割程度。この傾向は、少なくとも最近5年間の時系列でも、あまり変化が見られません。
Lensの標準グラフ機能では、凡例が件数順でなくて分かりづらいですが、ドイツ・欧州以外では、米国、中国、国際出願(WO)が同じ程度です。