前回より、各国の出願人がどのような国での特許獲得を目指しているか、その時系列変化を含めて、国籍(第一国)別に見ています。
今回は米国(US)です。
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米国籍の特許動向の特徴
以前の記事「国籍別の特許動向の違いは?」で触れた通り、欧米人(欧米企業)は複数国に出願する割合が高く、一般的にグローバルな特許網構築を意識する傾向が高いと言えます。
ただし、米国については、他国籍であっても第一国出願先として選択される傾向が高いため、必ずしも米国人の動向とは言えず、多少は割り引いて考える必要があります。
※以前の記事でも述べましたが、多くの特許出願は出願人の国籍をデータとして持っていないので、その代わりとして第一国(最初の出願国、より正確に表現するならば「優先権主張の基礎となる出願の出願先となる管轄官庁の属する国」)を使っています。
検索式
The Lensを用います。検索式は下図の通りです。Lensでは”Priority Jurisdiction”(優先管轄官庁または国)というフィールドがあるので、これを第一国(国籍)を表すものとして利用します。対象期間は、公開公報発行年を基準に2017年以降の5年半を取っています。
中国籍の特許出願動向
下図より、米国籍の出願先(国)の内、米国内への出願は半分程度、あとは他国向けとなっています。この傾向は、少なくとも最近5年間の時系列でも、ほとんど変化がありません。
Lensの標準グラフ機能では、凡例が件数順でなくて分かりづらいですが、米国以外は、WO(国際特許出願)、欧州、中国、日本、カナダ、といった順番です。今や世界最多の特許出願を受けている中国よりも、欧州への出願をより重視している様子が見て取れます。
次回は日本からの出願を見てみたいと思います。