ビジネスの戦略の中に、オープン&クローズ戦略(オープンクローズ戦略、オープン・クローズド戦略などともいう)というのがあります。
これも、ビジネスモデルほどではありませんが、ネットでも書籍でも、いくらでも情報が手に入るかと思います。
今日は、オープン&クローズ戦略について、筆者が日頃の仕事で感じることを、特に「買い手」(顧客)の観点にて。
オープン&クローズ戦略とは
経済産業省の「2013年度ものづくり白書」(第1部第1章第3節)では、オープン&クローズ戦略についておおむね、以下のように定義されております。
また、オープンとクローズの方策については、以下を例示しております。
また、アップル、インテル、TOTOなどの事例を、おおむね以下のように紹介しています。
以上を読めば、オープン&クローズ戦略とは要するに、以下を使い分けて自社の利益を最大化すること、ということになるかと思います。
「買い手」の視点を入れること
しかし、筆者としてはどうも、シックリきません。
それは、「売り手」の視点だけしか感じられないから。そう仕掛けておけば、顧客は寄ってくるものという、”傲慢さ”も感じられます。
そこで、「買い手」の視点を入れてみます。とても簡単で、「買い手」が体験するプロセスをなぞればOKです。(よく「UX」、すなわり「User eXperience」とも言います。)
だいたいこのセットかと思います。それを前提に、改めてオープン&クローズを考えると、以下のようになるかと思われます。
ここでポイントは、オープンは顧客と協業の双方が対象だという点です。経産省の例では、協業だけがターゲットのように見えますが、「商品の魅力」があっての話ですから、むしろ顧客(買い手)がターゲットであるべきと考えます。
一方のクローズも、競合だけでなく、顧客(買い手)も対象だと考えます。クローズの目標が「利益の最大化」だとすると、顧客との価格交渉はとても重要な要因です。たとえば、コスト構造などは顧客にバレると不利になるので、そこはクローズ(秘匿)の対象となります。
以上のことは、オープン&クローズ戦略の一般論とは違うかも知れませんが、あくまで筆者の経験に基づく偏見なので、ご容赦いただければ。