特許分類「Fターム」(特にFタームの5桁で構成されるテーマコード)を利用して、技術テーマ別の特許動向を俯瞰する試みをしています。
今回は、テーマコード2B230「木材等の化学的・物理的処理」。
2013年1月1日以降の約10年間弱に出願された特許及び実用新案が対象。J-PlatPatにて490件がヒットしました(2022年8月5日現在)。
なお、「Fタームで見る特許動向」シリーズ(?)は、今回でいったんお休みしたいと思います。分析手法など、いろいろ試したいことが出て来たので、少し整理してみてから、改めて再開したいと思います。
頻出するキーワード
なるべく最近の動向を見るべく、2020年以降に出現したキーワードをテキストマイニングしました。
木材の不燃・難燃処理や、圧縮・圧密が課題の中心で、そのために種々の薬剤を含浸させたり加熱・加圧したりの操作が技術課題になっていることが伺えます。
※ユーザーローカル社のサイト「AIテキストマイニング」を利用して、発明の名称および要約の頻出キーワードをクラウド表示したもの(上図が発明の名称、下図が要約)。名詞、動詞、形容詞は色分けされている。
出願件数推移およびランキング
ここ10年弱で安定的に出願しているのは、パナソニックと大建工業くらい。あとは中国の個人発明者(王凱氏)が単年で集中出願しているのが目立ちます。
プレイヤーとしては意外と少ない技術分野と思われ、後発でも攻略の仕方があるかも知れないと感じさせる動向と言えます。
※出願件数の推移は出願年毎に表記。2020年出願分は全て公開されているはずなので、それ以前の経変変化は確定データ。
頻出キーワードの変化
頻出キーワードについて、過去10年弱と過去3年弱でどう変わるか、比較したのが以下です。過去3年間(下図)の方は、前回触れた活性化関数による演算を施しています。リグニンや塗布といった新たなキーワードが出現しているのが分かります。
頻出キーワードと出願人の変化
上記のような頻出キーワードを出しているのは誰か、出願人のプロファイルを見てみたのが以下です。上図は過去10年弱の全般を対象、下図は過去3年弱で目立ってきたキーワードを中心に見たものです。
今回はあまり時間が無くて深く解析できませんでしたが、最近の頻出キーワードを使っている企業に的を絞って、その戦略を深掘りする契機になればと考えた分析です。機会があれば別途、深掘りを試みてみたいと思います。